更新日:2025.01.29
屋根修理の相場と費用内訳を徹底解説!適正価格で後悔しないためのポイント

屋根の劣化や雨漏りを放置すると、建物内部の被害拡大や修理費用の高騰につながります。
しかし、実際に屋根修理を検討し始めたとき、「どの工事が必要なのか」「どのくらいの費用が相場なのか」など、わからないことは多いはずです。本記事では、屋根修理における費用相場の目安や修理方法ごとの特徴、費用を抑えるコツなどを専門家の視点で徹底解説します。適正価格を知り、納得できる業者を選ぶための手がかりとしてぜひお役立てください。
Contents
屋根修理の必要性と放置リスク
屋根は建物の最前線を守る重要な要素
屋根は建物全体を雨風や紫外線、積雪などの外的要因から保護する大切なパーツです。高温多湿の日本では、屋根材の劣化や傷みが進行しやすいため、定期的な点検や修理が欠かせません。
しかし、多くの方にとって「屋根のメンテナンスは優先度が高くない」という認識が根強いのも事実です。実際に雨漏りや破損が起きるまで手を付けず、結果的に大掛かりな修理が必要になるケースも少なくありません。
屋根を放置するリスク
屋根が劣化しているにもかかわらず放置してしまうと、以下のようなリスクが生じます。
・雨漏りの発生: 屋根の防水性能が低下すると、室内への雨水侵入が発生しやすくなる。カビや腐食の原因になり、建物の構造体にも悪影響を及ぼす。
・修理コストの増大: 小さな傷や破損であれば簡易修理で済む場合でも、放置して状態が悪化すると屋根全体の葺き替えが必要になるなど、大規模工事に発展しやすい。
・資産価値の低下: 屋根が劣化した建物は見た目や機能面で評価が下がるため、不動産的な資産価値が落ちる可能性がある。
・安全性の低下: 台風や豪雨が多い日本では、強風時に破損した屋根材が飛散するなどの事故リスクが高まる。
放置リスクを最小限に抑えるためには、屋根の点検を定期的に行い、必要に応じて修理・メンテナンスを実施することが大切です。
屋根修理における主な工法と特徴
屋根修理と一口にいっても、その方法は建物の構造や屋根材の種類、劣化度合いによってさまざまです。ここでは代表的な修理方法を紹介します。
部分修理(部分補修)
・概要: 屋根の一部がひび割れや破損を起こしているときに、その部分だけを交換・補修する工法。
・メリット: 比較的安価で済む。工期が短く、建物への負担も少ない。
・デメリット: 対象箇所以外が同程度に劣化している場合、近い将来に別の部分が破損するリスクもある。
カバー工法(重ね葺き)
・概要: 既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねて施工する方法。もともとは金属屋根などでよく用いられる工法。
・メリット: 既存の屋根を撤去しないため、廃材処分費や解体費が抑えられ、工期も短縮しやすい。
・デメリット: 建物への重量負担が増加するため、構造上の問題がないか慎重に確認が必要。また、複数回のカバー工法は推奨されない。
葺き替え工事
・概要: 既存の屋根をすべて撤去し、新しい屋根材へ全面交換する大規模工事。
・メリット: 屋根材や防水シートなどを一新するため、耐久性が大幅に向上。劣化箇所を完全にリセットできる。
・デメリット: 解体費や廃材処分費などがかかるため費用が高い。工期も長くなる。
塗装によるメンテナンス
・概要: トタンやスレートなど塗膜保護が必要な屋根材に対して行う再塗装。
・メリット: 防水性・耐候性を高め、屋根材の寿命を延ばす効果がある。部分補修と組み合わせることで費用が軽減するケースも。
・デメリット: 塗装のみで完全な雨漏りを改善できるわけではなく、事前に下地の劣化確認が欠かせない。
屋根修理の費用相場:全体像
屋根修理の費用相場は、修理方法や屋根材、建物の高さ・形状、地域などの要素によって大きく変動します。ここでは、一般的な戸建住宅(30坪前後)を想定した場合のおおよその相場感を示します。
・部分修理(部分補修): 約5万円~20万円程度
・カバー工法: 約60万円~150万円程度
・葺き替え工事: 約80万円~200万円以上
・塗装メンテナンス: 約40万円~100万円程度
上記はあくまで目安であり、実際の費用は屋根面積や使用する屋根材のグレード、劣化状況によって上下します。また、足場の設置や撤去費用、建物の形状による施工難易度なども大きく影響します。
屋根修理にかかる費用の内訳
材料費
・屋根材: スレート、瓦、ガルバリウム鋼板など種類によって価格差がある。
・防水シートや釘、ビス: 小物部材も工事規模によって使用量が変わる。
人件費(施工費)
・施工人数・工期: 大規模な葺き替えや複雑な形状の屋根は人数や工期が増えるため、施工費がかさみやすい。
・技能士のレベル: 熟練度によって施工品質が変わるが、一般的に高い技術が求められる場合は人件費も上がる。
足場費用
・安全確保のための足場: 一般的に、屋根工事では安全性確保と作業効率向上のために足場を組む必要がある。
・相場: 延床面積30坪~40坪程度の住宅であれば、足場代だけで15万円~30万円程度かかるケースも。
廃材処分費
・撤去した古い屋根材の処分コスト: 葺き替えでは廃材量が多くなるため、費用は増加しがち。
諸経費(管理費・交通費など)
・会社の運営費や管理費: 経営規模が大きい会社ほど、諸経費として上乗せされる可能性がある。
・現場への往復交通費: 施工地域が遠方であれば、その分も費用に含まれることがある。
屋根修理費用を左右する要素
屋根材の種類
代表的な屋根材には、スレート、瓦、トタン、ガルバリウム鋼板などがあります。瓦は耐久性が高い一方で重量があり、材料費が高め。一方のスレートやガルバリウム鋼板は比較的軽量で施工もしやすいですが、耐久年数にはばらつきがあります。選ぶ素材によって費用だけでなく、耐久性やメンテナンスサイクルも異なる点に注意が必要です。
建物の構造や形状
屋根の傾斜が急であったり、複雑な形状である場合は施工難易度が上がり、その分だけ人件費が増える傾向があります。また、2階建て・3階建てなど高さがある建物は足場の組み方や安全対策がより慎重になるため、コストがかさみやすいです。
地域特性
施工業者の賃金相場や物価、地域独特の気候などによっても費用は変わります。台風常襲地域や積雪地帯では、耐久性の高い屋根材を選択するケースが多いため、結果的に費用が上がることがあります。
依頼時期や工期
屋根修理の繁忙期(梅雨入り前や台風シーズン前など)には、業者が立て込んでいて工事費用が高めに設定されることがあります。逆に閑散期を狙うと、値引き交渉に応じてもらいやすい場合もあるでしょう。
業者の規模や経営形態
大手のリフォーム会社は信頼感や保証体制がしっかりしている反面、下請け構造などの理由から中小の専門業者に比べて費用が高めになりやすい傾向があります。一方、地元に根付いた中小業者は比較的費用が抑えられることもありますが、アフターサービスや保証制度がどこまで充実しているかを確認する必要があります。
屋根修理の具体的な工事種類と相場目安
ここでは、より詳細に工事内容別の費用相場を紹介します。これらはあくまで目安であり、実際の現場状況によって大きく前後します。
瓦の差し替え・部分修理
・内容: 割れやズレの生じた瓦だけを交換、もしくは補修する。
・相場: 1枚あたり数千円~1万円ほど(既存瓦の種類や廃盤か否かで変動)。複数枚差し替える場合はまとめて見積もりを取るのが一般的。
棟瓦の取り直し
・内容: 棟瓦(屋根の頂上部分)を固定する漆喰や棟板金などを取り直して修理する工事。
・相場: 10万円~30万円程度。棟部分は雨風を受けやすく、漆喰の劣化が進みやすいため定期的なメンテナンスが推奨される。
雨樋交換・補修
・内容: 雨水をうまく排水できなくなった雨樋を交換・補修する。
・相場: 部分補修の場合は3万円~10万円前後。全面交換すると15万円~40万円程度が目安。
屋根塗装
・内容: スレートやトタン屋根など、塗膜が劣化した屋根を再塗装して防水性・美観を回復させる。
・相場: 約40万円~80万円が目安(足場費用含む)。塗料のグレードや屋根の面積によっては100万円以上になることも。
カバー工法(重ね葺き)
・内容: 既存の屋根材を撤去せずに、新しい屋根材を重ねて施工する。ガルバリウム鋼板など軽量な屋根材が主流。
・相場: 約60万円~150万円程度。材料のグレードや建物の規模で上下する。
葺き替え工事
・内容: 既存屋根をすべて撤去し、下地から新しい屋根材に交換する。
・相場: 約80万円~200万円以上。撤去費や廃材処分費がかさむため工事費が高額になりやすい。
屋根修理費用を抑える5つのポイント
早めのメンテナンスを心がける
屋根の小さな不具合を放置していると、症状が広がり大掛かりな修理へと発展しやすくなります。早期発見・早期修理を心がければ、結果的に費用を抑えられます。
相見積もりを取得する
信頼できる複数の業者から見積もりを取得し、費用や工事内容を比較検討することは必須です。同じ工事内容でも業者によって数万円~数十万円単位で差が出ることも珍しくありません。
閑散期を狙う
雨季や台風シーズン前後は需要が高まるため、費用が高止まりする可能性があります。一方で、比較的依頼が少ない閑散期(冬場など)を狙うと、値下げやサービスを受けやすい場合もあります。
補助金・助成金を活用する
自治体によっては、屋根のリフォームや省エネ性能向上を目的としたリフォーム工事に対して補助金・助成金制度を設けているところもあります。自治体のホームページや窓口で確認してみましょう。
外壁塗装と同時に依頼する
屋根修理と外壁塗装は足場を共通で利用できるため、同時に依頼することで足場費用を一度で済ませられ、総合的なコストダウンにつながるケースがあります。
屋根修理のスケジュールと工事の流れ
屋根修理の大まかな流れとしては、以下のステップが一般的です。
1.現地調査・点検
・業者が屋根や建物の構造をチェックし、劣化状況や必要な工事内容を確認。
2.見積もり提示
・工事方法や材料、工期などに応じて費用を算出。複数社から相見積もりを取る。
3.契約・スケジュール調整
・契約書を交わし、着工日や工期を決定。工事内容や保証内容も再確認。
4.足場設置・養生
・周囲への安全確保と作業効率のため、足場を組み養生シートで建物を覆う。
5.撤去・下地処理(葺き替えの場合)
・既存屋根材を撤去し、傷んだ下地の補修や防水シートの交換を行う。
6.屋根材の施工
・選んだ屋根材を葺く、またはカバー工法の場合は重ねて施工。
7.仕上げ・点検
・棟部分や水切り、雨樋などの細部を仕上げ、最終検査を実施。
8.足場撤去・引き渡し
・足場を解体し、工事が完了。保証書やアフターサービスの説明を受ける。
悪徳業者を見分けるチェックリスト
屋根修理の需要が高まると、悪徳業者も横行しやすくなります。以下のポイントを押さえて、トラブルを回避しましょう。
1.突然の訪問営業で不安を煽る
・「すぐに修理しないと危険です」などと高額契約を迫るケースは注意。
2.見積もりの明細が曖昧
・「工事一式」など具体的な内訳が不透明だと、後から追加料金を請求されるリスク大。
3.相場より極端に安い・高い
・不自然な安さは粗悪な材料の使用や手抜き工事に繋がりかねない。高すぎる場合も要注意。
4.契約を急かす
・冷静な判断をさせない手口。即決や手付金を迫る業者は慎重に検討する必要あり。
5.保証内容が不明確
・工事後の不具合に対する対応をしっかり確認すること。口約束ではなく、書面で交わすのが望ましい。
専門業者選びのポイントと依頼手順
業者選びのポイント
・屋根修理の実績と専門性
実績豊富な専門業者や職人が在籍しているかを重視。
・口コミ・評判のチェック
インターネットの口コミサイトやSNS、知人からの紹介などを参考に総合的に判断。
・保証制度やアフターサービス
施工後のメンテナンスや不具合対応について明確な保証期間が設定されているか。
・分かりやすい見積もり
細かい工事内容と内訳が明示されているか、疑問点に丁寧に答えてくれるか。
依頼手順
1.複数の業者へ問い合わせ
・可能であれば地元で評判の良い業者や、友人・知人の紹介も含めて数社に相談。
2.現地調査と見積もり比較
・実際に屋根を見てもらい、修理必要箇所の写真や説明を受ける。
3.工事内容の説明を確認
・工法・材料・工期・保証などについて、わかるまで質問を行う。
4.最終的に業者を決定し契約
・見積内容と要望が合致する業者と契約。契約書を必ず取り交わし、内容を保管。
5.工事開始から完了まで定期的に進捗確認
・トラブルを避けるためにも、工事中に疑問があればその都度確認することが大切。
保証やアフターサービスについて
屋根修理は高額な投資となる場合が多いため、工事後の保証やアフターサービスが充実しているかどうかは重要な判断材料です。以下はチェックしておきたい項目です。
・工事保証期間: 一般的には5年~10年程度の保証が多いが、工法や屋根材によって異なる場合がある。
・自然災害への保証: 台風や地震などによる破損が保証対象になるかは業者によって異なる。
・定期点検サービス: 工事後に数年ごとの点検を無料または低料金で実施してくれる場合もある。
・連絡体制: 万が一のトラブル時にすぐ対応してくれるか、電話・メールなどの窓口は整備されているか。
屋根修理と同時に検討したい外壁塗装との関係
足場費用の削減
屋根工事と外壁塗装を別々に行うと、それぞれで足場を組む必要があり、その都度コストが発生します。同時施工であれば、足場代が一度で済むため費用を削減できます。
建物全体の保護
屋根と外壁はどちらも建物を守る重要な要素です。外壁のひび割れや防水性能の低下も、建物内部の劣化につながるため、屋根同様に定期的な点検とメンテナンスが必要です。
美観と資産価値向上
屋根と外壁を同時にリフォームすると、建物の見た目が新築同様に蘇り、資産価値が高まります。カラーデザインの統一感を出しやすい点も大きなメリットです。
屋根修理で後悔しないために押さえておきたいQ&A
Q1. 「屋根からの雨漏りは自分で修理できるの?」
A. 屋根の上での作業は高所作業となり危険が伴うため、専門的な知識や装備がなければ自分で修理するのは避けるべきです。また、原因の特定や下地の確認には専門知識が必須です。
Q2. 「保険は使えないの?」
A. 台風や大雪など、自然災害が原因の場合には火災保険が適用されるケースがあります。ただし、経年劣化による修理は保険の対象外となることが多いので、事前に保険会社に確認をとりましょう。
Q3. 「業者の選定は地元と全国展開の会社、どちらが良い?」
A. 一概には言えませんが、地元の専門業者はアフター対応がスピーディで、地域特性を踏まえた施工が可能。一方で、大手会社には豊富な実績や保証体制の充実が期待できるメリットがあります。複数の候補を比較してみることが大切です。
Q4. 「見積もりは無料で依頼していいの?」
A. ほとんどの業者が無料で見積もり・現地調査を実施しています。ただし、まれに有料調査を設定している業者もあるため、事前に確認しておきましょう。
Q5. 「屋根修理と一緒にリフォームローンも利用できる?」
A. 可能です。住宅ローンの借り換えやリフォームローンを検討することで、まとまった資金を調達することができます。金利や返済期間を確認して慎重に検討すると良いでしょう。
まとめ
屋根修理の相場は、修理内容や屋根材、建物の状況、地域などによって変動するため、一概に「○○円が相場」と言い切ることはできません。しかし、本記事で解説してきたように、おおよその目安と、費用を抑えるためのポイントを把握しておけば、大きく損をするリスクを減らせます。
・屋根修理を検討する際は、まずは定期的な点検や調査を実施する。
・複数の業者から見積もりを取り、内容と価格の妥当性を見極める。
・工事内容や材料、保証について不明点があれば、しっかりと質問して納得した上で契約する。
・外壁塗装やリフォームローンの利用など、同時に検討できる要素を総合的に考える。
また、弊社では屋根塗装・外壁塗装の専門業者と提携し、建物の状況やご希望に応じた最適な工事プランをご提案しています。屋根修理に関するお悩みやご相談がありましたら、ぜひ一度お問い合わせください。専門家の知見を活かし、安心できる施工と適正価格を両立したリフォームを実現するお手伝いをさせていただきます。
長く住み続ける家だからこそ、屋根は定期的なメンテナンスで健全な状態を保ち、雨漏りや劣化を未然に防ぐことが大切です。適正な相場を把握し、信頼できる専門業者を見つけることで、大切な住まいを長く安全に守り続けましょう。