更新日:2025.01.23
【徹底解説】屋根葺き替えで住まいを長持ちさせる!知っておきたい基礎知識・費用・業者選びのポイント

本記事では「屋根葺き替え」を中心に、屋根の劣化症状や葺き替えタイミング、施工手順、費用相場、業者選びのポイントなどを包括的に解説しています。
さらに、屋根塗装や部分修理との違い、活用できる紹介サービスのメリットも紹介。屋根葺き替えで長く快適に住める家づくりを目指している方が、安心して工事に臨めるよう情報をまとめました。
Contents
屋根葺き替えとは?基礎知識と必要性
屋根葺き替えの定義
「屋根葺き替え(ふきかえ)」とは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に取り替える大規模なリフォーム工事のことです。
屋根のメンテナンス方法としては、部分補修や塗装などもありますが、葺き替えは屋根材そのものと下地を刷新するため、耐久性や断熱性、防水性の大幅な向上が見込まれます。
葺き替えが必要になる理由
屋根は建物の最上部に位置しているため、常に雨風や紫外線、台風などの厳しい環境にさらされています。
経年による屋根材や下地の劣化が進むと、雨漏りや断熱性能の低下、さらには家屋自体の寿命を縮める要因にもなり得ます。
そうした深刻な被害を予防し、住宅の資産価値を維持するうえでも屋根葺き替えは有効な方法です。工事費用は高額になる場合がありますが、長期的に修繕費を抑えられる場合も少なくありません。
屋根の劣化症状と葺き替えのタイミング
代表的な屋根の劣化症状
1.色あせや塗膜の剥がれ
特にスレート屋根や金属屋根で見られ、防水機能の低下に直結するため要注意です。
2.ヒビ割れや破損
瓦・スレートなど、衝撃や経年劣化によって亀裂が入ることがあります。雨漏りの原因となりやすい症状です。
3.屋根材の反りや浮き
瓦のズレ、スレートや金属屋根の浮きなど。台風時には飛散リスクもあるため早めの対処が重要です。
4.雨漏り
天井や壁のシミ、カビ、屋根裏の水滴などは雨漏りのサイン。下地へのダメージも大きくなる前に処置が必要です。
葺き替えを検討すべき主なタイミング
築年数が15〜20年以上経過
スレートやトタンは約20年、瓦でも30~40年が一つの目安といわれます。
深刻な雨漏りや下地の腐食
部分補修が追いつかないほどのダメージは、葺き替えを検討したほうが合理的です。
定期点検で早期発見・早期対応
雨漏りが起きてからではなく、劣化の兆候を捉えて余裕を持って工事を計画するのが理想です。
屋根葺き替えのメリット・デメリット
メリット
1.建物全体の耐久性向上
下地材も含めて新しくするため、雨漏りリスクを大幅に減らせます。
2.断熱性能や遮熱性能の向上
施工時に断熱材を組み合わせれば、夏は涼しく冬は暖かい住環境が期待できます。
3.外観イメージの大幅リニューアル
新しい屋根材の選択で、住宅の印象を大きく変えられます。
4.資産価値の維持・向上
屋根リフォームが済んでいる住宅は、売却や査定の際に評価されやすいメリットがあります。
デメリット
1.高額な初期費用
部分補修や塗装より費用がかかりがち。
2.工事期間が長い
一般的には1〜2週間程度かかり、さらに天候による延長リスクがあります。
3.生活や近隣への影響
足場の設置や騒音などで、ある程度の不便を覚悟する必要があります。
4.業者選びが難しい
技術力や信頼性に大きな差が出やすい工事なので、情報収集と相見積もりが不可欠です。
よくある屋根材の種類と特徴
スレート(化粧スレート)
・特徴: 薄い板状で、比較的軽量。カラーバリエーションが豊富。
・メリット: 材料費が安価で施工も容易。
・デメリット: 割れやすいため定期的なメンテナンス(塗装など)が必要。
瓦(粘土瓦・陶器瓦など)
・特徴: 重厚感があり、和風だけでなく洋風のデザインも存在。
・メリット: 耐久性が高く、メンテナンス頻度が少なく済む。
・デメリット: 重量があるため耐震面での影響を考える必要がある。
ガルバリウム鋼板
・特徴: 金属屋根の一種で、鋼板にアルミ亜鉛合金メッキが施されている。
・メリット: 軽量・錆びにくい・デザインの自由度が高い。
・デメリット: 雨音が大きい場合があり、断熱材の追加を検討したほうが良いケースがある。
トタン(亜鉛メッキ鋼板)
・特徴: かつて主流だった金属屋根材。現在はガルバリウム鋼板に押され気味。
・メリット: 安価で軽量。
・デメリット: 錆びやすく定期塗装が欠かせない。寿命がガルバリウムより短い。
アスファルトシングル
・特徴: ガラス繊維などにアスファルトを含浸させ、表面に鉱物質をつけたシート状の屋根材。
・メリット: 非常に軽量でデザインが豊富。カットしやすいので複雑な形状の屋根にも対応しやすい。
・デメリット: 日本の高温多湿な環境では劣化が進みやすく、施工にはノウハウが要る。
屋根葺き替えの費用相場とコストの考え方
費用相場の目安
・屋根材の種類: スレート、瓦、ガルバリウム鋼板など選ぶ素材で価格差が出ます。
・建物の構造・形状: 屋根面積や傾斜、複雑な形状は施工コストが上がりがち。
・下地や野地板の補修: 劣化度合いによって追加費用がかかる。
・地域や業者の方針: 地域差や業者の人件費、規模などで変動。
30坪程度の一般的な戸建て住宅の場合、たとえばスレート屋根の葺き替えで120万円〜180万円前後が一つの目安。ただし、瓦屋根やガルバリウム鋼板などは施工費や材料費が異なるため、実際は必ず複数の見積もりを取得して比較するようにしましょう。
トータルコストを考慮
初期費用の安さだけを基準にすると、将来のメンテナンス費や再度リフォームが必要になるリスクが高まります。耐久性やメンテナンス周期、トータルでの費用対効果を踏まえて検討することが大切です。
葺き替えの施工手順と期間の目安
一般的な屋根葺き替えの流れ
1.足場の設置・安全対策
作業員と近隣への安全を確保するため、住宅周りに足場・メッシュシートを設置。
2.既存屋根材の撤去
古い屋根材を剥がし、廃材処分する。下地の劣化があれば補修や交換も行う。
3.防水シート(ルーフィング)の施工
屋根下地の上に防水シートを敷き、屋内への雨水侵入を防ぐ。
4.新しい屋根材の取り付け
選んだ屋根材を固定していく。施工手順やビスの打ち方、枚数などに定められた規定がある。
5.棟板金や役物の取り付け
屋根の要所(棟や軒先、隅棟など)に金属部材を取り付け、防水性を高める。
6.仕上げ・点検・清掃
すべての屋根材施工完了後、仕上げや最終点検を行い問題がないか確認。最後に足場を解体し撤収する。
工事期間の目安
一般的な戸建てでおよそ1〜2週間程度ですが、以下のような要因で延長することもあります。
・屋根形状が複雑
・天候不良(梅雨・台風シーズンの影響)
・下地の状態が予想以上に悪い
葺き替えと屋根塗装・部分修理の違い
屋根塗装
・目的: 屋根材の表面を保護し、美観と防水性を高める。
・適した状況: 屋根材自体が寿命に達していない場合で、表面劣化が主な問題のとき。
・メリット: コストが抑えられ、工期も短い。
・デメリット: 屋根材の寿命を迎えている場合は根本解決にならず、いずれ葺き替えが必要になる。
部分修理
・目的: 亀裂・ズレなど局部的な不具合を補修する。
・適した状況: 劣化箇所が限定的で、屋根全体の寿命がまだ残っているとき。
・メリット: 修理費用が安く済みやすい。
・デメリット: 範囲が広いダメージや下地の腐食がある場合は、根本解決になりにくい。
屋根葺き替え
目的: 古い屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材と下地を導入する。
適した状況: 屋根材の寿命が近い、または雨漏りなどで深刻なダメージがある場合。
メリット: 屋根と下地を一新することで、建物全体の防水・耐久性が大幅にアップ。
デメリット: 初期費用が高額になりやすく、工期が長い。
失敗しない業者選びのポイント
1.相見積もりを取る
1社だけでなく複数社から見積もりを取得し、工事内容やコストの妥当性を比較する。
2.現地調査の有無
実際に屋根に上り、劣化状況をしっかり確認してから見積もりを出す業者を選ぶ。
3.施工実績や口コミをチェック
過去の施工事例や顧客評価を確認し、信頼度を見極める。
4.保証やアフターサービスの内容
施工後の不具合に対して、どの程度の保証・サポートがあるか確認する。
5.説明のわかりやすさ
質問への回答があいまいな業者は避け、メリット・デメリットまで正直に話してくれるところを選ぶ。
葺き替え検討時に気をつけたい注意点
1.悪質な訪問販売や営業に注意
「屋根が今にも崩れる」「すぐ工事しないと大変」など、不安をあおる手法に惑わされず、必ず複数の専門家の意見を聞く。
2.火災保険・助成金の確認
自然災害が原因の破損であれば火災保険が適用になる場合がある。自治体の助成制度の対象となることも。
3.工事時期の見極め
台風や長雨のシーズンを避けると、工期がスムーズに進みやすい。
4.屋根材の特性をしっかり把握
耐久性や重量、デザイン、断熱性など、メリット・デメリットを総合的に考慮する。
5.近隣への配慮
足場設置や工事音など、施工期間中は近隣トラブルに発展しないよう事前の挨拶や配慮を行う。
屋根葺き替えを成功させるためのチェックリスト
1.築年数と屋根材の使用年数を確認
2.専門家による屋根の定期点検
3.複数の業者から見積もりと施工プランを取り寄せ
4.天候リスクと工事期間の調整
5.近隣への事前連絡を徹底
6.火災保険や助成金制度の可能性を調べる
7.施工後の点検やメンテナンス計画を検討
専門業者の紹介サービスを活用する意義
「屋根葺き替えを検討しているけど、どの業者に依頼すればいいのか分からない」という声は少なくありません。そこで役立つのが、専門業者の紹介サービスです。
1.認定・審査を通過した業者のみが登録
施工実績や資格、価格設定を厳選して登録しているケースも多く、一定基準をクリアした信頼できる業者を探しやすい。
2.複数業者とのやり取りがスムーズ
一括見積もりサービスであれば、時間と手間を削減しながら相見積もりがとれる。
3.事例や口コミがまとまっている
紹介サイト上で施工写真や利用者の声を比較検討できるため、イメージと合った業者を見つけやすい。
4.専門スタッフのサポート
屋根材の選択や施工内容、費用などについて相談できるサポート体制が整っている場合がある。
こうしたサービスを利用することで、業者探しの時間と労力を大幅に削減でき、安心して工事を依頼できる可能性が高まります。
まとめ
屋根葺き替えは、住宅の機能性と資産価値を高めるうえで非常に重要な工事ですが、その分費用や工期、業者選びの難しさなど、押さえておくべきポイントが多岐にわたります。以下を意識しながら進めましょう。
・屋根の状態を正確に把握
築年数・屋根材の寿命・劣化症状をプロに見てもらうことで、最適なリフォーム時期と工法を判断できます。
・屋根材選びは長期的視野で
初期費用だけでなく、メンテナンス頻度や耐久年数を考慮して検討する。
・信頼できる業者を複数比較
相見積もりの取得、施工実績・保証内容の確認を徹底することで、安心できる業者を選べます。
・工事後のメンテナンスも重要
葺き替えを終えてからも定期点検や部分修理を怠らないことで、屋根の健康状態を長く保つことが可能です。
もし「どの業者が適切かわからない」「相見積もりを取るのが大変」と感じる場合は、専門業者の紹介サービスを活用して、認定基準をクリアした信頼性の高い施工会社から選ぶのも一つの手段。よりスムーズに情報収集や比較検討を行うことができます。
屋根という住まいの“最前線”をしっかり整備しておくことで、安心・安全な住環境を長く維持することができるでしょう。本記事を参考に、ぜひ余裕をもって情報を集め、最良の選択を進めてください。